何故山に登るのか?という問いに対して、そこに山があるから!というのは、あまりにも有名なマロリーの名言です。
確かに、苦労の末ようやく山頂に登り着いた際に見える景色は、言葉では言い表すことさえできない程の感動に違いありません。
そんな山登りに関する映画をいくつかご紹介してみたいと思います。
もくじ
「セブンイヤーズインチベット」について
登山家ハインリヒ・ハラー氏の自伝を映画化
アイガー初登頂で有名なオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラー氏の自伝的映画で、チベットで過ごした7年間や若きダライ・ラマ14世との交流が描かれています。
彼がダライ・ラマに出会うきっかけとなったのは、ヒマラヤ山脈への登山に向かう途中、インドでイギリス軍の捕虜となりその後、脱獄をしてチベットに行き着いて出会ったとされています。
人気俳優ブラッド・ピットが主演
ハインリヒ・ハラー氏の役は、女性に大人気のブラッド・ピットが抜擢されています。この映画は、日本でも1997年に公開されています。
とくに協調性に欠ける一匹狼的な登山家が、ダライ・ラマとの交流を通して人間性を帯びていく様子は必見です。
ブラッドピットが映画の中で涙を見せています。
「春を背負って」について
笹本稜平氏の小説を映画化
小説家でもある笹本稜平氏が発表した連作短編小説の中から、「春を背負って」というタイトルの短編小説を映画化したものになります。
この短編小説は、その他のタイトルと合わせると全部で6編構成になっており、奥秩父にある山小屋を継いだ青年と山小屋に集う人々の心の触れ合いを丹念に描いています。
人気俳優松山ケンイチが主演
松山ケンイチが演じる長嶺は、山小屋を経営する父に反発して都会で暮らしていました。ところが、父が亡くなったので、一旦帰郷することになります。
その後、山小屋で働く高澤(蒼井優)やそこに集う人々と交流していくうちに、次第に山小屋を継ぐ意思を固めるようになります。
「八甲田山」について
新田次郎氏の小説を映画化
1902年・明治35年に日本陸軍第8個師団が雪中行軍の訓練中に遭難してしまい、その結果210名中199名もの人が死亡してしまうという遭難事件を題材にした小説です。
冬場の雪に覆われた山、さらに吹雪が降って山が荒れ狂うという自然の過酷さを物語った映画といえます。
山に関する本について知りたい方は、以下の記事をどうぞ。
高倉健が主演
映画の製作費は、その当時では破格の7億円で撮影期間は3年間に及んだといわれています。この映画では、高倉健を始めとして三國連太郎・北大路欣也などの大御所俳優が出演しています。
とりわけ、北大路欣也の有名なセリフ「天は我々を見放した」は当時の流行語にもなりました。
「滝を見に行く」について
沖田修一氏が監督・脚本を務めた映画
「南極料理人」では日本中で話題になり、「キツツキと雨」では東京国際映画祭審査員特別賞を受賞、「横道世之介」ではブルーリボン賞作品賞を受賞するという輝かしい経歴の沖田修一氏が監督と脚本を手がけた映画です。
映画の中では登山ツアーに参加したメンバーが、ガイドとはぐれてしまいサバイバルを余儀なくされるといった内容です。
出演者全員が普通の素人のおばちゃん達
この映画が一風変わっている点は、オーディションで選ばれた40歳以上の普通のおばちゃん達という点にあります。幻の滝を見に行くというツアーに参加したおばちゃん達が、運悪く山の中で遭難してしまうのです。
その後、仲間同士喧嘩しながらも次第に一体化していく様子が、実にリアルで評判の高い映画となりました。
まとめ
山の素晴らしさや山の怖さを表した映画をいくつかご紹介してみました。要するに、山には喜びや感動と同時に恐怖や危険が表裏一体になっているのだと思います。
とりわけ登山が趣味という方は、上手に山と付き合っていくことが大切なことなのでしょうね。